4 タップル (4T)

NLP 用語の「4 タップル (4T)」は、ある個人が特定の瞬間にもっている内的経験を表出 (モデル化) するもので、「4T = VAKO」の方程式が使われます。この式は、人間は、どの特定の瞬間においても、視覚 (V)、聴覚 (A)、触覚 (すなわち、フィーリング) (K)、嗅覚 (O) から成り立っている一式の知覚経験をもっていることを意味します。(簡略化のために O には味覚 (G) が含まれています。) なお、NLP 用語では、これらの感覚は「表出体系」と呼ばれています。人間は特定の瞬間において必ずしも VAKO のすべての要素について意識的であるとはかぎらないことを指摘しておく価値はあります。

4T は、1) 外部生成の要素、2) 内部生成の要素のいずれかから構成されることが可能であることが指摘できます。(1 と 2 の組み合わせから構成される場合もありますが、このケースは本書では議論されません。) 前者の場合、4T は外部世界から入ってくる (入力) データだけから成り立っているので、「e」 (外部を示す「External」の略字) を付けて「4Te」 として表されます。後者の場合は、内部の記憶から来くるデータだけから成り立っているので、「i」 (内部を示す「Internal」の略字) を付けて、「4Ti」 として表されます。

4T の概念のおかげで、「考え」、「思考」といった捉えどころのない概念を「内的行動」と定義することができるようになるので、「行動/思考」の区別のかわりに「外的行動/内的行動」の非常に明快な区別を用いることができるようなることは特記に値します。

ここで、「今ここにいる」ということの意味は、つまるところは、4Te の内的経験をもっていることそのものであり、他方、マヤ (マインド等) の中にいるということは 4Ti の内的経験をもっていることそのものであるということが、明らかになります。

神秘家、または特にゲシュタルト療法、ヒューマニスティック サイコロジーのような学派に属している心理療法家は、しばしば「過去の投影 (ゲシュタルトで言う「アンフィニッシュド ビジネス」) に反応するかわりに、今ここで起こっていることについて応答しなさい!」とアドバイスします。これが意味することは、端的に言えば、NLP 用語が使われるなら、4Ti の経験に反応するかわりに 4Te の経験に応答して、自然に自発的に行動しなさい、ということになります。(今起こっていることに対して応答するかわりに、過去の投影に対して反応する典型的な例としては、ある人が特定の女性を前にして、自分の母親を思い出して、問題の女性自身のかわりにその母親のイメージに対して反応するケースが挙げられます。)

(注: このページのテキストは、Swami Guhen の論文、「NLP と精神世界」からの引用を基に編集されたものです。)

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